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・場所:横岳西壁石尊稜
・日程:2020年01月18日 〜 2020年01月19日
・メンバー:前田, その他メンバー 1人
・天候:
快晴

・感想 by 前田 ———————————–
6:30出発。登攀系のガチャをつけて準備するパーティーがどこに向かうか気になる。石尊稜は混むと3時間待ちになったりもするらしいので心配した。行者小屋にテント泊していたパーティーでは自分たち以外は皆文三郎道へ向かった。赤岳西壁主稜などをやるのだろう。気をよくして石尊稜にむかう。赤岳鉱泉への登山道では何組ものパーティーとすれ違う。赤岳・阿弥陀に向かう体のパーティーもいれば登攀のパーティーもいた。石尊稜取付きまでは昨日の偵察のおかげで何の問題もなく行けた。新しい足跡があったので先行パーティーがいるのが分かっていたが、取付きに行くと二人組の1パーティーがいた。

取付きで準備をしながら先行パーティーのクライミングを見る。リードがなかなか登っていかない。ちゃんと練習してから来いと思っていたのだが、いざ取り付いてみると意外に難しい。逆層スラブでちょっとした突起にアイゼンの爪を乗せて立ち上がれないとかなり厳しい。また、ピッケルが刺さるところも限られているので岩にひっかけて登る技術も必要だ。Mはアイスクライミングの経験が少しあるのでなんとかこなせたが、経験のほぼないSは大変そうだった。前のパーティーもそうらしく、セカンドに追いついてしまって途中待たされた。

取付きの下部岩壁はIV級50mとトポにあるが、50mロープでは最上部までたどり着くことはできない。もうちょっとというところで立ち木でのビレイとなった。その前に逆層スラブ帯が終わったところの左手にしっかりとしたビレイポイントがある。先行パーティーがもたもたしていたのでここでピッチを切った方がよかった。ここから雪稜を左に少しトラバースして、2〜2.5m程の段差を越える。ちょうど木があるのでそれを掴んで腕力で登る。念の為立ち木にビレイをとった方がよい。
段差を越えて少し行くと一旦左へ巻いて急登を下部岩壁頂上まで登る。左へ巻いたところでロープいっぱいになったので急登の直下でピッチを切った。

ビレイの間、左の方を見ると3人組のパーティーがいた。リードしていたのはおそらくガイドで、登っていたのは無名峰南稜のようだ。あちらはミックスというより雪稜を登るのが主のようで面白そうだった。

下部岩壁の頂上は平地になっていて景色もすばらしい。絶好の休憩ポイントだ。ここからは雪稜帯で上部岩壁までコンティニュアスで進む。雪稜帯と行ってもなかなか厳しいところがあり、スタッカートで登るところがたくさんあった。それにしても天気が良かった。快晴、無風で右を見れば赤岳、阿弥陀岳、左を見れば大同心、小同心、後ろを振り返れば北アルプス、南アルプス、白山、御嶽山が全部見えた。こんな状態で山に登れたのは数年ぶりだ。上部岩壁に至る雪稜はすばらしい。トレースが一本岩壁まで続いている。ふと右手を見ると中山尾根に2パーティー程取り付いている。最初の難所だろうか、下部のほぼ垂直な壁で停滞していてなかなか進まない。手間の日ノ岳か、あるいは鉾岳の尾根に石尊稜側からトラバースしているパーティーが2,3あった。先の石尊稜の先行パーティーもいたのだろうか、他は鉾岳ルンゼや日ノ岳ルンゼを遡上してきたようだった。

我々は上部岩壁にとりつく。トポにIII級とあったのだが、なかなかいやらしい。下部のフェースは無難にこなし、右側からリッジに乗り上げるところはいやらしく、高度感もありなかなか難しかった。リッジに乗り上げた後もしばらくロープを伸ばせそうだったが、核心部が見える位置でビレイをした方がよいと考えて途中でピッチを切った。ちょうどビレイポイントが用意されていた。

頂上までの最後の詰めはコンティニュアスで登る。ここで風が強くなった。モナカ状の雪稜を少し登ると横岳稜線に出た。どこが石尊峰の頂上か分からずケルンを頂上として登頂記念の写真を撮る。雪稜から突き上げるとケルンの少し右手に出る。

登頂時刻が予定より1時間超遅れていた。美濃戸口発茅野駅行きの最終バスにはもう間に合わない。それどころか美濃戸口に着くまでに日が落ちる可能性もあるのでやや急ぎ足で下山開始する。昨日積もった雪が締まっていないので歩きにくかったが、行者小屋から美濃戸口までは2時間半弱で下山した。

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